第53号:メガ系信託銀行から受けた相談!創業資金の調達にエンジェル税制を!

昨日、私の講演を聴講された“あるメガ系信託銀行の部長職の方(O部長)”
から連絡をいただき、創業資金の件で相談を受けることになりました。

その方曰く
「北島先生には、講演後の懇親会で、ご相談させていただきましたように」
「スタートアップの企業が何社か取引先にあり」
「融資だけでは資金調達に限界を感じている先があります。」
「エンジェル税制が、そうした取引先に、投資を呼び込む手段になればと思います。」

更に、O部長は続けました。
「既に成功されている取引先の投資先としても興味を持っております。」
というのです。

そこで、私はO部長に質問させて頂きました。

「ところで、O部長、私の講演の後、エンジェル税制について、どの程度研究されましたか?」

O部長は言いました。
「北島先生の講演を聴いて良い制度だと思い、相談させて頂きました。」

私は確信しました。
「O部長は、エンジェル税制を活用し、取引先を幸せにすることなど出来ない。」

そして、O部長にも、遠慮なく、その旨伝えました。

なぜだと思いますか?

なぜ「O部長は、エンジェル税制を活かして、取引先を幸せにするなど出来ない!」
そう断言できるのでしょうか?

答えは、O部長は経営というものを甘く考えすぎてるからです。

事業を開始したばかりの取引先に、なにか良い資金調達の方法がないか!

もともと、事業を開始したばかりの会社が資金調達をすることは、
簡単であるわけではありません。

ところが、O部長の言葉には、
「簡単に良い資金調達の方法が見つからないか!」
という甘い考えがにじみ出ているのです。

O部長は同じ大学院の卒業生ということもあり、
期待の意味を込めて、そのことを、お伝えさせていただいたのです。

私は、O部長に言いました。

「本気でエンジェル税制を活かしたいのであれば!」
「今日私のところに来るまでの間に、エンジェル税制について少しでも研究したはず!」

前回のコラムでもお伝えしました通り、
①利害関係者への情報開示に積極的で、
②貸借対照表の改善に向けた具体策を持ち、
③それらを事業計画で具体化しているオーナー社長こそが、
公の制度を味方につけ、事業資金獲得に成功し、
自らの会社を永続的繁栄へと導くのです。

そこで、エンジェル税制を活用し成功された企業の例を紹介させていただきます。

それは、クラウド会計サービスのfreeeです。

このfreeeの事例は、公を味方につけて事業を成功に導くためには、
その制度を活用する側が、その制度を研究することが、
いかに大切かを教えてくれます。

私は、これまで数多くのオーナー社長の資金調達に関与して参りましたが、
ここで一つの原理原則をお伝えします。

「天は制度を真剣に研究した者に成功をもたらす!」
「天は真剣さが足りない者からは機会を奪う!」

これは、例外なく当てはまります。

では、なぜここまで断言できるのでしょうか。

その答えが、freeeの事例に凝縮されています。

クラウド会計サービスのfreeeは、
創業初期からエンジェル税制を積極的に活用した企業の好例です。

同社の創業者である佐々木大輔氏は、単に制度を「知っていた」だけではありません。
自ら制度を徹底的に研究し、エンジェル税制認定企業となるための準備と申請手続きを、
自らの手で進めていきました。

天は、佐々木社長のような方に成功をもたらすのです。

エンジェル税制を研究しようと経済産業省のホームページを開いた経営者の多くは、
「難しそうだ」
「専門家に任せよう」
と考え、その時点で思考停止に陥ります。

しかし、私は断言します。
ここで思考を止めた経営者は、絶対に資金調達で勝てません。

そこで思考が止まらなくても、研究を怠った経営者は、資金調達に成功しても
その先の成功を手にすることはできません。

なぜなら、エンジェル税制とは単なる「節税制度」ではなく、
「投資家との関係性を設計する制度」だからです。

私はこれを
「制度ドリブン資金調達」
と定義しています。

これは、制度そのものを深く理解し、その制度を前提に
①どのような投資家を呼び込むのか
②どのような事業ストーリーを描くのか
③どのような成長戦略を実現するのか
を設計する資金調達のあり方です。

この視点が欠けた瞬間、エンジェル税制は単なる“税金の話”に矮小化され、
本来得られるはずの価値の大半を失います。

freeeの佐々木氏は、この本質を完全に理解していました。

彼は、エンジェル税制を活用することで得られる
“公的なお墨付き”を背景に、投資家の信頼を獲得しただけに終わりませんでした。

そして、さらに一歩踏み込みました。

投資家に対して、単なる節税メリットを提示し、資金を呼び込むだけでなく、
「新しいSaaS市場を共に創る」
という、社会性と成長性を兼ね備えたビジョンへの参加を呼びかけたのです。

ここに、決定的な違いがあります。

投資家を
「お金を出す人」
とだけ扱うのか、

それとも
「共に市場を創るパートナー」
として迎え入れるのか。

どちらが、より多くの成功を勝ち取ることにつながると思われますか?

答えは明確です。

後者でなければ、企業は絶対に成長しません。

freeeは、多様な個人投資家から資金を集めることに成功しました。

しかし、真に重要なのはそこではありません。

志に共鳴した投資家たちは、単なる出資者にとどまらず、
自らの専門知識、人脈、経験を同社に提供する“共創パートナー”となったのです。

この共創の力こそが、成長のエンジンとなりました。

その結果、freeeは全国展開を一気に加速させ、
創業から7年後の2019年12月、東証マザーズ上場を果たします。

ここまでの話を整理します。

freeeの成功を分解すると、以下の三点に集約されます。

①制度を自ら徹底的に研究したこと
②制度を「投資家との関係設計」にまで昇華させたこと
③投資家を共創パートナーとして巻き込んだこと

大事なことなので、もう一度お伝えします。

エンジェル税制は、「資金調達の手段」ではありません。
「単なる資金調達を超えた成長戦略そのもの」なのです。

どのような制度も、真剣に向き合うことなく使おうとする限り、
資金は集まらず、仮に集まったとしても、企業は成長しません。

逆に、制度を徹底的に理解し、戦略として使いこなせば、
中小企業であっても、大きな資金を呼び込み、
市場そのものを創ることすら可能なのです。

私は、これまで多くの企業を側で見てきましたが、
「制度を使う側の覚悟」こそが、すべてを決めると確信しています。

その覚悟を表す所作が
「制度に向き合い佐々木社長のように制度を研究すること」
と言えるのです。

だからこそ、冒頭のO部長には、あえて厳しい言葉をお伝えしたのです。

制度を研究せずして、制度を語ることはできません。
制度に向き合わずして、取引先を救うことはできません。

しかし、正しい姿勢で向き合い、実践すれば、
エンジェル税制は必ず強力な武器となります。

中小企業だからこそ、機動的に制度を使いこなし、
資金調達の構造そのものを変えることができるのです。

なお、エンジェル税制の大恩恵をさらに詳しく知りたい方、
エンジェル税制認定企業である株式会社maximumへ投資を検討されている方、
エンジェル税制認定企業を立ち上げ、自らのビジネス拡大に活用されたいとお考えの方は、
ぜひ下記よりお問い合わせください。

https://www.mku-consulting.com/maximuminc/
代表電話(03-5843-7228)にお電話をいただけましたら、
私のほうから折り返しご連絡もいたします。

O部長のように、高い社会的責任を担われた立場の方々が、
エンジェル税制を研究されることで、
すべてのオーナー社長を、創業資金の獲得を成功に導き、
すべてのファミリービジネスが永続的繁栄へと導かれますよう!